「真価を問われる2024年」


コロナ禍においては会社の進むべき方向性など真剣に考えましたが、その結論は「新しいことはやらない」ということでした。決してネガティブな意味ではなく、いま以上に専門性を追求することでホテルビジネスに関するプロフェッショナル集団になることを目指すということです。「進化」や「変化」することよりも「真価」を追求することで、専門家としての価値を高めることとを目標としています。一つのことをより深く追求(深化)することで、その過程には必ず新たな気づきや化学反応が生まれ、結果として創業以来20年間、常に新たなチャレンジをし続けています。人材の補強などにより既にその効果は見え始め、いままで経験してこなかったような案件の問い合わせをいただいています。弊社の業務範囲は、ホテル新規開業、経営再建、運営改善、リノベーション、リブランド、各種調査分析、事業評価、教育研修、覆面調査など多岐にわたります。これらの業務に関しては今までと同じ取り組みをしたとしても一ランク高い視点で業務にあたることで、結果に拘ったサービスを提供したいと思っています。またホテル業は宿泊部門だけではなく、会議、宴会、レストラン、婚礼、調理、管理部門(人事、総務、経理、購買、等)など多くの機能や部門から成り立っています。弊社の強みは、その全部門をカバーできるという点です。「ホテル=宿泊」として語られるケースが多いですが、大都市圏の大手ホテルや地方都市の総合型グランドホテルなどは宿泊部門だけでは経営的には成り立たない収支構造となっています。会議や宴会売上をアップさせる手法、レストラン売上を強化する手法など常にホテルビジネス全般に貢献できるような会社を目指しています。

創業以来の忙しさ・・・

コロナ禍により弊社も危機的状況を経験しましたが、2023年以降はコロナ前と同等またはそれ以上に繁忙を極めています。ご依頼いただく業務内容は一言でいえば業績改善(利益確保)や顧客満足度の向上(付加価値アップ)ということになります。コロナ禍で取り組んだ業務効率化などによる少人数オペレーションの再徹底など利益体質への転換、教育研修による人材育成または顧客満足度の改善、新規開業やリブランドまで幅広くご依頼をいただけるようになってきました。特に2023年下期以降の業務量は創業以来と言っても過言ではない状況です。2024年以降の業務集中を見越してコロナ禍中に優秀な人材を採用し体制を整えてきたことが功を奏しています。2024年はインバウンド需要の急回復はもちろん国内旅行の需要拡大に伴って弊社への業務のご依頼もさらに増加すると思っています。組織を強化して受け入れ態勢を整えます。

「いまホテル業界が取組むべきこと」

コロナ禍を経験したことでホテル業界は様々な価値観の変化を迫られることになりました。
2018~2019年の訪日外国人旅行者数が3000万人突破による特需から一転し2020年にはどん底状態に陥り、それが2023年夏以降には一気に需要回復し、2024年には大きな変革と飛躍の1年になると確信しています。

この期間に我々は、人(働くスタッフ)の大切さや効率化の推進、顧客の大切さ、さらには売上よりも利益の重要性など、多くのことを学んだのではないでしょうか。
そして現状の最大の課題は人手不足や人材不足であることは周知の通りです。特に地方都市にあるフルサービス型ホテルの人手不足は深刻な状態です。

通常営業が出来ず宴会やレストラン営業の一部を制限しているホテルも珍しくありません。人手不足を解消するための取り組みで一番重要なのは「稼ぐ力=利益確保」です。言い換えれば商品価値の向上と競争力のアップということになります。

具体的にはマーケットのニーズの変化を読む、ニーズに合った付加価値を提供する、熟練者でなくても使いこなせるシステムを開発する、それらの仕組みを使いこなす、清潔な施設を維持する、質の高い接客をする、少人数での運営を可能にする、等々です。

いずれにしても「人」が基本ということになります。人の育成・教育が収益(稼ぐ力)の違いに大きく影響し、またそれが給与アップなどの雇用環境改善へと良い循環に働きます。

つまり「人」こそ最終的には企業価値になり、さらには観光産業全体の底上げになり、観光立国として国力の差にもなってくるはずです。
人材育成に成功した企業が企業として成長し社員や顧客または地域に貢献できるものと確信しています。

スランプから脱出のために

コロナ禍から日常に戻り一気に仕事が集中、適度に息抜きはしているものの、遠方への出張が体力的には辛くなってきている。
肉体の疲れは精神のバランスを崩すことにもなり仕事にも大きく影響する。周囲に対しても悪影響、そして自らスランプに陥る。
そこで始めたのが週末ゴルフ、スコアよりもむしろゴルフ場を歩くことや妻や友人との会話に意味を感じている。(スコアはなかなか上達せず・・・)
だいたい1日で15,000歩前後で12〜13キロ程度の運動量、早起きするのも健康的と思って時間を見つけてゴルフ&ウォーキングを頑張ろう。そして今年も残すところ2か月、仕事は気を抜かずに、プライベートはリラックスして過ごしたいと思っている。さっそく、11月の3連休はゴルフ&温泉でリフレッシュ。

新しいことをやらない勇気

宿泊業に特化したコンサルファームとして20年、
コロナ禍には会社の今後の方向性など真剣に考えましたが、
その結論は「新しいことはやらない」ということ。
決してネガティブな意味ではなく、
いま以上に専門性を追求することで宿泊業に関する業域を広げるとともに深く知識を身に付けるという意味です。
新規開業、経営再建、リノベ、リブランド、調査分析、事業評価、人材育成、教育研修、運営改善、覆面調査、、、
これからも宿泊業に関するワンストップサービスを目指します。
そして弊社自身の価値を高めることで信頼を得ていきたいと思います。

支配人の自戒

地方都市で営業するフルサービスホテルの支配人の言葉、
「経営を立直すにはオーナーや経営者ではなく運営責任者が最大限の努力をする責任がある」
「我々がもっと危機意識を持って変わる必要がある」
「経営が悪化したのは自分達の努力不足」、
この言葉を言った支配人は昨年度見事にコロナから立直しに成功したが、いつまでも経営者の責任やコロナの影響と言い続けている施設ではスタッフのモチベーションも低く赤字からいまだに赤字から抜け出せないでいる。
この違いは大きい。

高騰するホテル料金は妥当なのか?

人手不足だから、需要があるから、海外と比較して安いから、、、いまの大都市圏(特に東京都内)のホテルの販売単価の高騰はいままで経験したことの無い販売単価(ADR)となっている。しかし果たして価値が価格に見合っているホテルがいくつあるのか?
混雑し待ち時間が増え、サービスがおざなりになってしまっては、商品価値自体は大きく低下することになる。

売価に見合った価値の提供がなければ、今は良くてもビジネスとしては継続しない。需要があるからと言って身の丈を超えた価格設定はお得意様や顧客の信頼をなくす。
人手不足なので販売室数を限定して単価をアップさせるというとは理解しているが、同時に提供価値も高める努力が必要だということは言うまでもないことである。

少人数でも満足度を低下させないためにはシステム化などはもちろんだが、個々の能力アップが必須である。そのためにも教育研修(人材育成)の重要性が今まで以上に増してきているのではないか。
会社側の努力はもちろんだが、働く側にも自らの努力(勉強や情報収集など)が求められている。業界全体やそこで働くスタッフの成長のための大きなチャンス到来ではないだろうか。

廃業支援

コロナ禍で疲弊した企業(宿泊施設)では金融機関からの借入を返済できず廃業するホテルや旅館が増えることになることが予想される。もちろん後継者不足も大きな課題だが、将来的に必要な大型設備投資などを考えると事業継続の意欲が失われるのも理解できる。
どうしたら最も良い形で廃業または譲渡できるか、金融機関もオーナーも傷を少なく、働くスタッフにとっても良い形で事業を終える(または譲渡)ことができるのか、そういった依頼が増えることが予想されます。

利益率改善のための人材育成と労働生産性の改善


人手不足が著しいホテル業界で少人数でも生産性を向上させるために「仕組みの見直し」と「人材育成のための教育研修」が重要である。要するに利益率改善のための構造改革や組織改革をすることである。また資金繰りさえ可能であれば、利益を生み出すためにも人材への投資は積極的に検討するべきである。

◇以下は、弊社がクライアントに対してコロナ禍における業務改革(効率化=生産性改善)の考え方を示した一例である。この考え方はコロナ禍が一つのきっかけとなったが、平時においても必要なことであり、ホテルのバリューアップにおいては常に必要な取組となる。

「やらなくてもよいこと」「業務の簡素化」「業務の軽減」「システム化の推進」を探し出すこと。少人数でのホテル運営を可能とするためには「総労働時間の短縮」という考えが重要となる。同時に個々のスタッフの生産性をアップさせるために教育研修なども実施する必要もある。

◇以下の考え方を参考にして現場スタッフとともに検討すること。
 いままで1時間かかっていた業務を40分間で行うためには?
 5人で行っていた業務を4人で行うためには?
 今までのやり方が当たり前と思っていたことが本当に必要なのか?
 料理の提供方法や接客方法を簡素化できないか?
 電話応対を減らすためには何が必要か?
 会計業務や集計業務をシステム化したら業務量は軽減できないか?
 作成している資料は本当に必要なのか?
 部門で重複している業務はないか?
 勤務時間や営業時間などに無駄はないか?
 売上や需要に見合った人員配置になっているか?
 外注していた業務を内製化できないか?

人手不足よりも人材不足

外資系ラグジュアリーホテルが続々と開業しています。
人手不足のホテル業界で求人にはかなり苦労しているようですが、そもそも一気にラグジュアリーホテルが開業して頭数はそろったとしても「人材」がいるのだろうか?
そう簡単に1泊10万円、20万円~の価値を提供できるのか?
インバウンド富裕層にとっては日本人の金銭感覚とはかなり違うことは理解していますが、それにしても金額の価値を理解しているスタッフがどの程度いるのかも疑問です。
有名な外資系ブランドのネームバリューに価値があって、そこにお金を払っているような部分も往々にしてあるのではないでしょうか。ブランド(看板)に依存するだけではなく自らの努力や勉強も必要です。常にインプットし続けましょう!