【運営面からみた収益改善(バリューアップ)メソッド】①

新型コロナウイルス感染症で大きなダメージを受けた宿泊業界では2021年以降、経営破綻・譲渡・リブランド・運営会社変更など続出することが予想される。

2019年までは運営面における経営悪化の原因や対応策などは、事業デューデリジェンス(事業評価および分析)などを実施することで、ある程度は改善のための方向性などを示すことができた。

しかしいま我々が直面している状況は、内的要因や経済不況などによる落ち込みではなく、世界規模の感染症という未知の領域であり、その打開策に関しては、今までのやり方だけでは通用しない。

いま我々に求められていることはホテルの役割や価値観が変わったということを認識し、2021年はもとより2022年以降を見据えた事業構造の転換、収益構造の変革、生産性の向上、などホテル事業の在り方そのものの改革が必要とされている。

ここではコロナウイルス感染症で受けたダメージから脱却し、運営面から見た経営の健全化、更にはバリューアップするにはどのような方法や考え方があるのか、等の考察を行うこととする。

「運営面から見た現状と今後の方向性」

ホテル業界再編成時代&今後の展望

2020~2021は新型コロナウイルス感染症に翻弄され、宿泊業界では生き残りをかけ様々な対応を迫られているが、資金繰りの悪化から事業継続を断念するホテルも多数でてくるはずである。

その結果として運営会社の変更や事業譲渡または廃業・倒産など様々な形で業界の再編成がおこなわれる。それは大手のホテル会社においても予断を許さない状況である。

またひとくくりにホテルと言ってもカテゴリーによって、そのダメージの大きさは違ってくる。

フルサービスホテルでは宴会需要が消滅したことを受け、ダメージの大きさは宿泊主体型ホテルとは比較できないくらいの規模となっている。

また有名観光地の小型高品質な旅館とインバウンドの構成比率が多い都市部のホテルでも大きく違ってくる。

このような状況下でホテル運営を継続していくために重要なことは、資金繰りはもとより、収支構造の見直し(収益力のアップ)ということになる。

言い換えれば損益分岐点をいかにして下げることができるか、ということである。

運営手法の見直しや組織の見直しまたは業態変更などで損益分岐点を下げることができれば、2021年下期以降にワクチン接種が普及し、観光需要が徐々に回復してくれば、コロナ禍で受けたダメージを補うことも可能なはずである。

そのためにはハードウエア(設備や機能)、ソフトウエア(組織、仕組、役割、手法)、ヒューマンウエア(人材育成、スキル、知識、生産性)など、事業の在り方自体の見直しが必要となる。

ホスピタリティマネジメント(HOMA)の経営理念は、「誠実と謙虚」「正論よりも現実論、抽象論よりも具体論」

ホスピタリティマネジメント株式会社は創業以来、ホテル・旅館・レストランの収益改善、 運営改善、事業再生、教育研修、および新規開業サポート、マーケットリサーチなどを通して、宿泊産業に貢献することを目的として設立した会社です。私自身はコンサル会社という認識よりは運営サポートの為の会社という認識です。

現場の最前線で働くスタッフたちに遣り甲斐と達成感をもってもらうこと、利用するお客様に満足感と安らぎを感じていただくこと、そして経営者や投資家には事業継続に対する責任とともに事業自体に喜びを感じてもらうことが弊社の役割だと認識しています。

弊社は創業以来「誠実」と「謙虚」という言葉を大切にしてきました。お客様に対しても経営者に対してもスタッフに対しても誠実で謙虚であること、それが基本理念となっています。

弊社の特徴は全員がホテルの現場経験者であり、長年ホスピタリティ産業で培った知識と経験を有する専門家集団ということです。創業当時より多くの経験と実績を積み重ね、現場目線やお客様目線はもとより、投資家や経営者の視点でも見ることが出来ることが強みとなっています。 机上の空論や正論を押し付けるのではなく、数値の分析能力は勿論のこと、豊富な実務経験を基に具体的な改善提案をし、現場の方々と一緒になって取り組む姿勢を大切にしています。

ブログを開設しました

菅野潔(すがのきよし)ブログを開設します。

ブログの開設にあたって、

ホスピタリティマネジメント㈱は2003年に創業、ホテル・旅館・レストランに特化したコンサルティング会社です。

いまでは宿泊業に専門特化したコンサルティング会社としては国内最大規模とも言われるようになりました。

宿泊産業は過去10年はインバウンドの増加や東京オリンピックの誘致成功などの後押しもあり、右肩上がりに成長してきましたが、2020年に世界を襲った新型コロナウイルス感染症の影響を受け、観光産業は一気に危機的状況に陥りました。弊社としてもこの1年間は厳しい状況ではありますが、アフターコロナを見据えてクライアントのみならず宿泊業界に貢献するべく、情報を発信し続けてきました。

このたび「ブログ」を開設するにあたり、不定期ではありますが、私自身が普段から感じていること、いままで培ってきたノウハウ、宿泊業界の今後のあるべき姿、またはホテルや旅館に宿泊する中で参考になったこと、などランダムに紹介をしていきます。