Q3. GOP改善方法② OTA手数料を削減する方法は?
A. OTAを有効な集客チャネルとして活かしながら、手数料や広告費まで含めた販売コストを適正化し、公式サイトからの直接予約比率を高めていくことが重要です。

前回は、GOP改善方法の1つ目として「省力化」についてご紹介しました。今回はその2つ目として、ホテル・旅館の利益に大きく関わる「OTA手数料」について考えていきます。
OTA手数料がGOPに与える影響
OTA(オンライン旅行予約サイト)は、自社だけでは出会えないお客様と接点を持てる、宿泊施設にとって欠かせない集客チャネルです。新規顧客の獲得やインバウンド集客でも大きな力を発揮します。
一方で、OTA経由の予約が成立すると、契約内容に応じた販売手数料が発生します。例えば1泊30,000円の予約に15%の手数料がかかれば、コストは4,500円です。同じ予約でも公式サイトから直接申し込んでいただければ、この差がそのままGOP改善につながります。客室数の多いホテルや年間売上の大きな旅館ほど、この差は年間で非常に大きな金額になります。ただし、「だからOTAを使わない方がよい」ということではありません。
OTAは「悪いコスト」ではない
だからといって、OTAでの販売を減らせばよいわけではありません。OTAには、
- 新しいお客様との接点をつくれる
- 検索・比較の段階で候補に入れる
- 閑散期や特定日の販売を強化できる
といったメリットがあります。重要なのは「使うか使わないか」ではなく、「どのOTAを、どのくらいのコストで活用するか」を経営として判断することです。
「実質的な販売コスト」で見る
OTA内で自施設を目立たせるために、広告出稿やキャンペーン参加、ポイント負担、特別プランなどを活用するケースもあります。これらを含めると、1件の予約を獲得するための実質的な販売コストが、想定より大きくなっていることがあります。
「OTAからいくら売れたか」だけでなく、その売上を得るために最終的にいくら販売コストを使ったのかを見ることが重要です。OTAからの売上額だけを見るのではなく、そこからどれだけ利益が残っているかで評価しましょう。
またOTAには、国内旅行者に強いもの、高価格帯に強いもの、インバウンドに強いものなど、それぞれ得意な客層があります。OTAごとの売上・手数料・広告費・客単価・利益率を比較し、自施設に合うチャネルを見極めることが重要です。売上が一番大きいOTAが、必ずしも最も利益を生んでいるとは限りません。
公式予約比率を上げる
直接予約を増やすには、「公式サイトから予約した方がよい」と思っていただける理由が必要です。例えば、
- ベストレート保証
- 公式サイト限定プラン
- 客室アップグレードや館内利用特典
- キャンセル・変更条件の優遇
などがあれば、価格を大きく下げなくても直接予約は増やせます。あわせて、公式サイトは単なる情報発信ではなく「予約を取るための販売チャネル」と捉え、スマホでの見やすさや予約までの導線の分かりやすさも定期的に見直しましょう。
新しい集客経路にも目を向ける
これまでは「OTAで宿を探す」ことが一般的でしたが、今後は生成AIに希望条件を伝えて宿を探すお客様も増えていく可能性があります。OTA以外からの流入経路を増やすという観点では、この変化はチャンスでもあります。
そのためには、客室タイプ・料金帯・食事内容・温泉の特徴・アクセスなど、公式サイトの情報を具体的かつ正確にしておくことが重要です。「おもてなしを大切にしています」といった抽象的な表現より、「小学生以下の子供向け食事あり」「駅から無料送迎」といった具体的な情報の方が、検索エンジンや生成AIにも施設の魅力が伝わりやすくなります。
あわせて、「食物アレルギーに対応できますか」「駅から送迎はありますか」といった、予約前によくある質問をFAQとして公式サイトに掲載しておくことも有効です。お客様の不安が減って直接予約につながりやすくなるうえ、検索エンジンや生成AIが施設を理解する情報源にもなります。
運用体制も含めて判断する
料金設定、在庫管理、広告、写真、プラン文章など、OTAの運用には専門知識が必要で、継続的な改善も欠かせません。大規模ホテルやチェーンでは専門担当者を育て社内にノウハウを蓄積することが強みになる一方、小規模ホテルや旅館では外部の専門会社に委託した方が効率的な場合もあります。すべて自社で行うことが目的ではなく、手数料や外注費を含めて、最終的に利益を最大化できる方法を選ぶことが大切です。
施設タイプによって最適な戦略は異なります
大規模・チェーンホテルでは直接予約比率とチャネル別コストの管理、中規模施設ではOTA活用と公式サイト強化のバランス、小規模施設では独自の魅力発信が、それぞれ有効な打ち手になります。
当社のサポートについて
当社(ホスピタリティマネジメント株式会社)では、20年以上にわたるホテル・旅館の経営改善支援の経験を活かし、単に「OTA手数料を減らしましょう」とご提案するのではなく、
- OTA別の売上・手数料・広告費
- 公式サイトの予約比率・予約導線
- 宿泊プランや写真・文章
- OTA以外からの流入経路
などを総合的に確認したうえで、施設に合ったOTA戦略と直接予約強化策をご提案しています。「OTAからは売れているのに利益が残らない」「公式サイトからの予約を増やしたい」とお悩みの施設様は、お気軽にご相談ください。
次回は、「GOP改善方法③ 経費を適正化するには?」です。