ホテルや旅館などの宿泊業で売上を増やす方法!

ホテルや旅館などの宿泊業で売上や利益を増やすのにはどうしたら良いのか?

繁忙期や閑散期がある、部屋数以上の販売は出来ない。 先立つ予算も限られている。 更には人手不足も・・・
このような事情を抱えた宿泊業界でどの様にしたら、売上や利益が増やせるのだろう?


新型コロナウイルスによる影響も少なくなり、インバウンドも戻ってきて、ようやく外的な要因に振り回されないでお客様をお迎えできる状況になりました。

その代わりに全国旅行支援や県民割のような割引施策もなくなり、中堅の離職などによる人材不足や食材や人件費、建築コストの高騰が相まってこれまでのような販売方針では利益のねん出が難しくなってきています。

そこで、オンライン販売 基本編を確認する良い機会です。

特に売上が見込みが少ない宿泊施設については以下を再確認するとよいでしょう。

基本がしっかりできているか否かで結果は大きく変わってきます

  1. 🛏 全ての客室タイプの販売が出来ているか 
  2. 👤 全ての人数帯の受け入れが出来ているか 
  3. 手仕舞い日(時間)をどこまで引っ張っているか 
  4. 📅 予約開始日をどこまで先にできるか 

ほとんどがあたり前過ぎる内容ですが、これらがしっかりできているか否かで結果は変わってきます。

それぞれを詳しくご説明いたします。

1、🛏 全ての客室タイプの販売が出来ているか

意外と全ての客室タイプをお客様が選べる施設は少ないです。1室しかないスイートルーム、数室しかない人気のイベントルームなどは現場のオペレーションレベルによってはオンラインでの販売が追い付かない場合があります。

また、ほとんど差異のないスーペリアルーム、天気が良ければ価値が飛躍する眺望フロア、最上階や角部屋、1室ずつ趣の異なるコンセプトルームなどは一括りでまとめて売っていることが多いです。

これらの客室について、常連のお客様から電話や直接予約を受けていることはないでしょうか。そのお客様はそこにニーズがあるのです。ニーズに合うお客様にぴったりとハマればそれなりの対価を得られます。「お気に入りの部屋」と常連のお客様の顧客情報にメモをするのではなく、しっかりと情報を発信することで思わぬ人気客室になる場合もあります。

売上が伸びないと思ったら、まずは全ての客室をお客様が選べる状態になっているか確認をしてみてください。場合によっては特定のサイトだけ販売していないことがあります。

ここで課題になってくるのはオペレーションレベルとシステム構築です。日々変わってくる在庫状況を正確に24時間コントロールするには業務レベルを上げるだけでは追い付きませんので、ホテルシステムとサイトコントローラーの接続が出来ていることが前提となります。

2、👤 全ての人数帯の受け入れが出来ているか

特に大人数で利用できるコネクティングルームや旅館の和室などは1名利用では予約が出来ないと断られるケースがあります。近年のおひとり様の滞在ニーズの普及状況を鑑みると、1名利用の市場を捨てるにはもったいないです。

この場合に多く見受けられるのが「1名あたり」で料金設定をしているためで、1名だと室単価が著しく下がってしまうからという理由です。料金設定は「1室あたり」で組んだ方がよいです。また、客室の販売価格が決まると自然と朝食や夕食の料金が分かれます。これにより泊食分離の設計がしやすくなります。

1名利用でもしっかり利益の出る料金を設定すると、場合によっては平均的な販売価格を大きく逸脱するかもしれません。ここで売れないだろうと安易に考えない方がよいです。もちろんバランスを調整することは価格の整合性のためには重要ですが、仮に高い設定でも数件程度の受注があるのであればオンライン販売の恩恵を十分に受けたといえます。

逆に例えば和室10畳に最大定員の6名を受注するような場合は注意が必要です。コロナ禍を経て定員稼働いっぱいの利用は下火になりました。法律上は問題なくてもお客様の滞在クオリティは下がりますので、思わぬクレームを招く可能性が高まります。定員稼働を高めたい場合は、子連れファミリーや学生の友人同士など対象客を絞り込んだプランとセットで販売するのが理想です。

3、⏲ 手仕舞い日(時間)をどこまで引っ張っているか

お客様が予約した日から宿泊日までの期間であるリードタイムはどんどん短くなってきています。施設のカテゴリによっては受注の半数以上は2週間以内のものといったケースも増えています。これだけ予約が直近化してくると、人手不足や食材の高騰と相まって施設側の受け入れ準備が追い付かなくなってくるのが実情ではないでしょうか。

外的な要因など仕方ない面もありますが、適正な稼働に届いていないならば最後の最後まで予約を受け付けていた方がよいです。宿泊日の前日や当日の受注数は増加傾向にありますので、早めの手仕舞いはチャンスロスになってしまいます。特に繁華街に近い施設や、アクセスがよくてウォークインの来館が見込める施設は夜までオンラインで予約が出来るとお客様の利便性はとても高まります。

旅館やリゾートなどのように食事付きで販売している場合は、受け入れ態勢のために前日までで手仕舞いをすることがありますが、素泊り販売で当日まで受注するなどの代案を立てるのも一つの方法です。

売上がある程度見込めているならば直近の予約は無理に取りにいく必要はないです。なるべくリードタイムを長くしてもらって、十分に準備してお客様をお迎えするに越したことはないです。

4、📅 予約開始日をどこまで先にできるか

リードタイム(お客様の予約日から宿泊日までの期間)が短くなってきているからこそ、いかに伸ばすかが重要です。そこで見直したいのが予約開始日が決められていて一定のリズムでしっかりと販売できているか、またその開始日が妥当かどうかです。

予約が入らないからとオンラインでは3カ月ぐらい先までしか在庫を出していない施設もよく見受けられます。入らないから出さない、出さないからまた入らないと負のスパイラルに陥ってしまう恐れがあるのでなるべく長く出すのが理想です。

また、半年先まで販売することになっているが、期をまたぐ場合や料金設定が変わるためにしばらく滞ってしまう場合があります。一般的に高頻度な常連のお客様はリードタイムが長くなりやすい傾向にあります。その施設が目的の場合はさらに高くなります。その際に予約が出来ない状態が何度かあると、余程その施設に対してロイヤリティがない限りは離脱してしまう可能性が高くなります。

それとは逆に予約の受け入れ期間が長過ぎるとGWや正月などの特日や、コンサートやマラソン大会などの肝心な日だけ先に受注してしまう場合があります。施設側がキャッチする前のイベント情報で満室になってしまうのはリスクです。一般的にリードタイムの長さとキャンセル率は比例しますので、例えば1年以上先の予約はそれだけの期間に気を使わなければならなくなります。団体利用の多い施設では数件の予約が先に入っているために全館貸切を逃してしまった経験もあるでしょう。

適正なリードタイムは施設カテゴリによって変わってきますが、おおむね「団体」>「顧客」>「一般」の順番に販売する仕組みが整っているのが理想です。