ホテル業務の効率化・宿泊施設のシステム化

ホテルを中心とする宿泊業界は人手不足が課題となっています。 この課題克服のために絶対に外せないのがデジタル化・IT化による業務効率の改善です。

ホテルなどの宿泊施設では用途に応じて様々なシステムやアプリが使われています。
これらのシステムやアプリの特性や役割を十分に理解した上でのデジタル化・IT化を進めることが大切です。

ホテルの一般的な業務フローを見ながら、発生しがちな課題とシステム化による解決方法を解説します。

ホテルなどの宿泊施設のシステムの種類と役割


それではシーン毎の課題を考えてみましょう。

予約管理編

Point 1
サイトコントローラー(各旅行サイトを一元管理できるシステム)とPMSが連携していないと手入力が発生しオーバーブッキングのリスクも高くなってしまいます。

Point 2
電話や来館などの場合直接スタッフが対応する手間がかかってしまいます(時間が取られる)。
そこで、オンライン予約にインセンティブを与えておくとよいでしょう。

Point 3
宿泊に限らず会議や宴会などもお問い合わせフォームなどを整備して、ある程度オンラインで予約情報を取れるようにしておくことも大切です。

清掃管理編

Point
・清掃指示書を作成するのに手間がかかるので、指示書が不要になる仕組みを構築します。
・客室清掃担当がPMSのチェックアウト状況を自分で見られるようにします。
・清掃の完了状態がフロントで確認できる仕組みにしておきます。

料飲予約管理編

Point
・紙ベースでは変更の都度書き換え作業が発生します(ミスの原因となる)
・人数の変更などその都度連絡するのは非常に手間がかかります。
・各担当がシステムに直接反映できる仕組みを構築します。(現場側では変更された際にはアラートが出ると良い)
・変更が多く発生するので、日時を決めて確認することをルーティン化しておくとよいです。

食材管理編

・メニュー数が多いと食材の管理が煩雑になり、発注漏れや在庫過多になるリスクがあります。
・宴会は数量が決まっているが、レストランは入客数を予測して食材を管理する必要があります。

Point
この「レシピの管理」が調理場の業務の中でも最も煩雑です。
しかし、このレシピ管理の正確さが原価率管理の鍵を握ります。


一般的なシステムフロー(会計ベース)

Point
赤の矢印の部分を自動化(データ連携)することが重要です。自動連携できなくても、「ボタンを押すだけ」に簡略化することで手間は大幅に削減できます。

同じ数字を打ち直さない!データを変換・集計して利用することが必須です。

会計管理

・マスタ設定をしっかり行わないと会計に反映させるまでに複数の処理が発生してしまうのでマスター設定が大切です。

・POSとPMSとの連携(宿掛対応)はPMSと同じベンダー製でなければ対応できない場合が多く、しかも多額のイニシャルコスト及びランニングコストが発生するケースが見受けられます。

そこで、クラウド系のPOSシステムを導入することにより安価にデータ収集・連携は可能となります。
ただし、クラウド系のPOSシステムはPMSと連携できないことが多く、その場合は宿掛は手入力となります。

・個人別会計データと部門別会計データの整合性が大切です。

売掛管理編

・PMSに売掛管理機能がある場合は良いですが、その機能がなく、取引するエージェントやクレジットカード会社が多岐に渡る場合は、エクセルなどでの管理が必要になってくるため、もしPMSに売掛管理オプションがあれば導入をお勧めします。

勤怠管理編

・勤怠管理がタイムカードや手書き帳票による運用だと集計に時間がかかり、また残業時間がタイムリーに把握できません。

・設定・計算ミスのリスクや法令改正時の対応が必要となりますので、給与計算を社会保険労務士事務所などに委託するというのも一つの選択肢です。

購買管理編

・食材等の単価が把握しにくいため棚卸などの原価管理が調理場の負担になってしまいます。

・市販の購買管理ソフト(蔵奉行など)ではマスタ管理や発注作業などに手間がかかります。
  ➔クラウド系の購買システムはマスタ管理の手間がほとんどかかりません。


このようにシステムやアプリを導入する際は目的やオペレーションを考慮する必要があります。
また、導入するだけではなく、上手に使いこなし定着(文化)化させることも大切です。

ここまでホテル等の宿泊施設の各部門毎の業務フローとシステム化のポイントをご説明しました。


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